ポスティング団体結成の理由となったポスティング業界の問題について解説

2015年に全日本ポスティング協会という非営利団体が設立されました。

その背景にはポスティング市場規模の拡大、それに伴い発生した様々な問題があります。

今回は設立の理由となったポスティング業界の問題について解説し、またポスティング団体の活動について説明していきます。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

関連記事

ポスティング(Posting)とは、広告を目的としたビラやチラシを、集合住宅(アパート、マンション)や戸建て住宅、企業のオフィスなどの郵便受け(ポスト)に投函するダイレクトマーケティングと呼ばれる宣伝広告の方法のひとつです。 配布エリアを[…]

ポスティングのすべて

ポスティング団体結成の理由

ポスティングは地域に密着したサービスで、日本全国各地に多くのポスティング会社があります。

そのような状況でなぜポスティング団体が設立されるに至ったのか、大きな2つの理由から解説していきます。

・ポスティング業界の市場規模拡大
・事業者の乱立による業務の質の低下や価格競争の激化

ポスティング業界の市場規模拡大

ポスティングは地域密着型サービスですので、学習塾や美容室、新築のマンションの販売など、ある特定のエリアに住む人々に向けてチラシを配布します。

必然的にその広告ターゲットは子供を持つ親、髪型やオシャレに敏感な若者など、20代〜40代の若年層から中年層が多くなります。

ひと昔前であれば、多くの人が新聞や雑誌を購読していたので、紙媒体の広告は新聞や雑誌の紙面か、折り込みチラシが一般的でした。

しかし、インターネットやスマートフォンの普及に伴い、誰もが簡単に情報へアクセスできるような時代になった昨今、新聞の発行部数はピーク時の4分の3まで落ち込んでいます。

そのため、新聞を購読しなくなっている世代である20〜40代の若年層から中年層に直接チラシを投函するポスティングの需要が高まってきています。

また、自社のQRコードなどをチラシに印刷すれば、コードを読み込むだけで簡単にWEBサイトへと誘導することが可能です。

限られた紙面のサイズでは載せきることのできなかった情報を伝えられるようになったこともポスティングの需要拡大に起因しています。

さらに、官公庁や各自治体の広報誌などの配布も近年は地域のポスティング業者に業務委託されるケースが増えています。

税金の無駄使いやコスト削減に厳しい声が上がる中、自治体も民間企業へと外注することが多くなり、ポスティング市場の規模の拡大に繋がっています。

市場規模が拡大し、飲食店や不動産関連だけでなく鍼灸整骨院や介護施設など幅広い業種がポスティングによる宣伝をしており、次の記事にポスティングが力を発揮する業種を紹介していますので、自社の業種と照らし合わせてみてください。

関連記事

インターネットが急速に発展する現在、商品の購入やレストラン、病院の予約までオンラインで行われる時代になり、その波は広告業界にも押し寄せています。 一方で従来から利用されてきたポスティングは、チラシを配るエリアを選ぶことができ、狙ったタ[…]

事業者の乱立による業務の質の低下や価格競争の激化

新聞の発行部数の激減や官公庁や各自治体からの業務委託の増加によって、ポスティング需要が高まることは喜ばしいことです。

しかし、そのことによって事業者が乱立し、ポスティングサービスの質の低下や熾烈な価格競争が起きています。

ポスティングは依頼されたチラシを特定のエリアにマンパワーを使ってポストに投函していくという業務の性質上、参入障壁が低いと言わざるをえません。

そのため事業者が乱立し、それによって価格競争が激しくなってしまいます。

ポスティングの料金は紙面サイズや配布エリアによって異なりますが、平均してチラシ一枚に対して数円という単価になります。

そのような数円単位の単価の中で価格競争が起きてしまうと、削ることのできるコストは人件費になってきます。

人件費が削られるということはチラシの配達員が安い給料で働くということなので、チラシの廃棄や複数枚のチラシを同一ポストの投函する、「チラシお断り」の注意書きがあるにもかかわらず配布するなどのサービスの低下を招きます。

事業者の中には悪質な事業者もあり、例えば5000枚のチラシの配布依頼を受けても、配達員には3000枚のチラシを渡してその分の給料しか払わずに、クライアントには5000枚分のチラシ配布の請求をするという話もあります。

このように、ポスティングの需要が高まり、市場が拡大するとともに、その参入障壁の低さゆえに事業者が乱立してしまい、熾烈な価格競争になり、サービスの質の低下が懸念されるようになりました。

そこで、ポスティングという仕事を俯瞰的な視点で見直し、一社のみではなく業界全体の営利を目的とした団体設立の必要性が求められた結果、全日本ポスティング協会のような団体が生まれました。

業界団体に加盟することにより一定の品質が保障されていることや、悪徳業者の実態を知ることで事業者の良し悪しを判断できますので、詳しく紹介している記事を参考にしてください。

関連記事

ポスティングとは、広告を目的としたビラやチラシを集合住宅や戸建て住宅などのポストに投函する宣伝方法です。 地域を限定できることや、低単価にもかかわらず高い宣伝効果が期待できるといったメリットがあります。 企業はポスティング業者に[…]

現在のポスティング団体の活動

業界全体の問題を解決するニーズによって生まれたポスティング団体は一体どのような活動を行っているのでしょうか。

主な2つの活動を紹介します。

・業界の社会的地位向上への取り組み
・業者間の連携

業界の社会的地位向上への取り組み

ポスティングという業務はクライアントからも消費者からも「テレビ業界」や「飲食業」のように「業種」「業界」としての認知がまだ希薄であるということは否定できません。

よって、ポスティングが社会に貢献する業務であるということをアピールをして、「ポスティング業界」としての社会的地位を向上させることが不可欠です。

そのためには、まずポスティングという市場の規模、どれほどの仕事があって、どれほど事業者が存在し、就業者は何人いるのかなどの数値やチラシ投函による反応率の統計データなどを正確に把握し、公表することが必要になってきます。

ポスティング協会は俯瞰的な立場で事業者とつながり、情報を集めることで「ポスティング業界」というものを社会的に認識してもらえるように努めています。

また、悪徳事業者の存在や、断りを無視したチラシの投函はクライアントと地域住民にネガティブなイメージを与えてしまうため、協会はポスティングにおける自主規制やルール作りをすることによって、ポスティング業務への信頼を獲得しようとしています。

具体的には「安全性評価制度」と「管理責任者制度」があります。

「安全性評価制度」はクライアントが安心して発注のできる事業者を選べるように、協会が事業者に対して条件を満たしているか評価のうえ、クライアントや消費者に安心・安全なポスティング業務を提供できると認定された場合には専用マークをつけることが許され事業者名も公表されます。

また、「管理責任者制度」はポスティング業務を管理する立場の人間に与えられ、取得には審査に合格しなければなりません。

このように、事業者の評判を高める制度があり申請資格や審査基準、一定以上のポスティング品質を保っている事業者が表彰される評価制度についてこちらに解説がありますので、事業者選定の判断基準としてください。

関連記事

ポスティングは費用対効果の高い宣伝方法として注目を集めており、実際に業務を請け負っている業者の数も多いです。 しかし、中には不当な業務内容で依頼者からお金を貰おうとする悪徳業者も数多く存在するため、依頼者は厳しい目で業者を見定めます。[…]

業者間の連携

事業者が乱立し、しのぎを削り合っていては潰し合いになりかねず、業界全体の発展には寄与しません。

例えば、繁忙期に自社ではカバーしきれない量の仕事量があった場合などに事業者間で仕事を回せる状況であれば、クライアントを含め業界全体の利益になり、また仕事の一極集中を防ぐことにもなります。

ポスティング協会は定期的に各地域ごとに研修会や青年部会議などを開催し、各地の事業者が協会を窓口として横断的に繋がっていくことを推進しています。

大手配送会社や新聞販売店など多くの事業者が独自の配布ルートを活用してポスティングを行っており、それぞれの特徴や料金がこちらにあります。

関連記事

GPS(全地球測位システム)やGIS(地理情報システム)などのIT技術の向上によって効率的、効果的にポスティングが行えるようになったことで、大企業を筆頭に多くの企業が再注目してきています。 しかしながら、費用対効果の高いポスティングは[…]

ポスティング団体結成の理由となったポスティング業界の問題まとめ

・ポスティング業界の市場規模拡大によって業者が乱立し、質の低下が起こりました。

・事業者数が増えたことで、価格競争が激化し、それぞれの業者が疲弊し始めたため団体結成となりました。

・現在、全日本ポスティング協会によって各業者の連携を図り、業界全体の社会的地位向上のための取り組みを行なっています。