ポスティングスタッフの類語であるディストリビューターについて解説

日本のポスティング専門業者は世界的にも珍しく、英語圏では広義に「ディストリビューター」と呼ばれる職業がチラシ配り全般の仕事を請け負っています。

​​海外進出を視野に入れたとき、現地のポスティングシステムについて理解しておくことは、文化の違いによる摩擦を減らし、宣伝・集客効果を高めることに繋がります。

当記事では、日本のポスティングスタッフと英語圏のディストリビューターの類似点・相違点について解説します。

海外市場での宣伝・集客活動に欠かせないディストリビューターについて理解し、海外市場への販路拡大に備えましょう。

ポスティングスタッフの類語であるディストリビューターとは?

「ディストリビューター(Distributor)」は日本語で「分配者」や「配給者」に訳され、そこから転じてビジネス、工学の分野で使用されている用語です。

そのひとつである「フライヤーディストリビューター(Flyer Distributor)」は「チラシ配り」を意味し、日本のポスティングスタッフと同等の作業範囲を含むことから、ポスティングスタッフの類語に該当します。

日本のポスティングスタッフは街頭でのチラシ配りと区別され、戸建住宅やマンション、企業オフィスへのチラシ配布作業が業務の大半を占めます。

雇用形態はポスティング業者を介する間接契約が多く、勤務時間中あるいは個々の自由な時間に、指定の配布エリアで決められたチラシ枚数を郵便ポストへ投函します。

個人で郵便ポストをまわる作業内容なので、同業者や担当地域の住民との対面はほとんどなく、従事者に専門スキルを要さない「単純労働」に分類することができます。

それと同様に、英語圏のフライヤーディストリビューターの業務内容にも、日本のポスティングスタッフと同じような郵便ポストへのチラシ投函作業が含まれています。

しかしながら、フライヤーディストリビューターの担当業務は、街頭でのチラシ配りも含めたより広い範囲の業務をカバーしています。

チラシ配布に加えて通行人へのセールスも必要であり、雇用形態も日本のポスティングスタッフとは差異があります。

チラシ配布について、より総合的な業務を課されるのが英語圏のフライヤーディストリビューターの特徴です。

なお「ディストリビューター」という言葉は、単体では「卸売業」や「ガソリン車やバイクのエンジン部品である配電装置」といった意味となり、ポスティングとは関係ありません。

海外でのチラシの起源は古代エジプト時代のパピルス紙であることや、時代毎の印刷方法やチラシの用途の変化についてまとめた記事も作っています。

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ポスティングスタッフとディストリビューターの違いについて

日本のポスティングスタッフと英語圏のディストリビューターには、仕事内容や語義に関しての違いが存在します。

そこで、違いについて詳しく解説していきます。

・ディストリビューターのチラシの配布方法は多岐にわたる
・ディストリビューターにはポスティングスタッフ以外の意味が含まれている

ディストリビューターのチラシの配布方法は多岐にわたる

日本のポスティングスタッフと違い、(フライヤー)ディストリビューターの作業内容は、郵便ポストへの投函作業だけに制限されません。

指定のエリアを歩いて通行人にチラシ配布を行う作業を基本とし、イベントのプロモーションとして専用のTシャツを着用したり、店頭でグッズの試用を求められることもあります。

雇用形態も日本のようにポスティング企業との間接契約ではなく、レストラン、イベント、グッズ販売、ナイトクラブ、公的事業など、さまざまな業種の配布元から直接雇用され組織の一員として配属されます。

直接雇用であることから、チラシ配布の成果や雑務に対する責任は従業員として負うことになり、日本のポスティングスタッフのようにポスティング業者に一任することはできません。

また広報部署の一員としての配属となるため、プロジェクトの終了後に、キャンペーンリーダー、マーケティング、プロモーションといった部署への異動を依頼されることも珍しくありません。

スキル的にも、通行人への宣伝だけでなく質疑応答、スタッフとの情報交換など、英語能力や商品・イベントに関する知識、チーム作業などを必要とする場面が多く、雇用元の業種に応じた幅広い業務に対応する能力も求められます。

チラシ配布の成果は個人の能力に委ねられているため、日本のポスティングスタッフよりも重い責任と幅広いスキルが求められる職業です。

ディストリビューターにはポスティングスタッフ以外の意味が含まれている

日本語の「配給者」「分配者」に訳される「ディストリビューター」は、幅広い語義を持つ用語です。

チラシ配布業者との誤用を避けるためにも、他にどのような意味があるのか押さえておきましょう。

「ディストリビューター」は、ビジネスの分野で「卸売業」、工学の分野で「エンジン部品の配電装置」の意味で使われる用語です。

ビジネス分野における用語の「ディストリビューター」は、日本でも「卸売業」や「販売代理店」などの意味で、海外との取引の際に使われます。

海外マーケットへの進出を希望しているメーカーにとって、販路の開拓は大きな壁となります。

製品を販売するための店舗の設置やスタッフの雇用、営業活動には大きなコストがかかり、自社のリソースが大きく割かれてしまいます。

そこで現地の商社と販売委託契約を結び、現地の商社を通して製品を卸すことで、メーカー側は設備投資なく代金を回収でき、一度で大量の製品を販売できるといったメリットが生まれます。

このとき、メーカーと販売契約を結ぶ中間業者のことを「ディストリビューター」(販売代理店、卸売店)と呼び、一般的には商社と同じ意味で使われます。

工学の分野における「ディストリビューター」は、一世代前のエンジンに搭載されていた配電装置を指します。

ガソリン車やバイクの動力源は、エンジン内部のシリンダー(気筒)内で空気とガソリンの混合気を燃焼させて作られています。

シリンダーの燃焼を開始するには、エンジンに接続している点火プラグにコイルからの高圧電流を流し、発火させなければなりません。

しかし、ガソリン車のエンジンに搭載されているシリンダーは1本でなく、軽自動車で3本、乗用車で4~8本、大型車やスポーツカーでは10~12本と、車体ごとに複数搭載されています。

これらを同時に燃焼させると、振動が増えて装置の摩擦が増大し、エンジンが損耗してしまいます。

そこで、ディストリビューターがシリンダーに点火するタイミングを制御する機能を果たすことにより、各シリンダーを順繰りに燃焼させ、エンジンへの負担を低減させます。

近年は、新式の電子制御点火システムが普及しているため、ディストリビューターはほとんど使われなくなっています。

このように、ディストリビューターには、ポスティングスタッフ以外の意味が含まれています。

ポスティングスタッフの類語はディストリビューター!2つの違いを解説まとめ

・英語圏の(フライヤー)ディストリビューターと日本のポスティングスタッフは、共通の作業範囲を持つ点において類似しています。

・英語圏の(フライヤー)ディストリビューターは、より総合的なチラシ配布作業を担当し、チラシの配布元から直接雇用されます。

・「ディストリビューター」の用語は、ビジネスにおける「卸売業」や工学における「エンジン部品の配電装置」などの意味を持ちます。