医療に関するポスティングチラシ作成上の法律的注意ポイントを解説

医療に関係するポスティングチラシには、病院、美容、整骨院、介護、鍼灸など、病院への勧誘や商品・サービスの宣伝などが該当します。

これらの商品・サービスや病院などの広告は、人の健康や命に関わるため、事実と大いに異なる内容を掲載してしまうと、チラシを受け取った人に誤解を与え、不適切な治療を施す恐れがあるため宣伝の内容が限定されています。

今回は、医療に関するポスティングチラシを作成する際に注意しなければならない法律的ポイントを解説します。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

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医療系のポスティングチラシに関する規制

医院や接骨院などの診療所に加え、あん摩マッサージや鍼灸なども治療に関する所です。

そのため、医療法などによりチラシの掲載内容が制限されており、規制について詳しく解説していきます。

・医療法によるポスティングチラシの表示規制
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等のポスティングチラシ表示規制

医療法によるポスティングチラシの表示規制

定義(チラシなどの広告に関すること)

名前や住所などが書かれていること、勧誘していること、一般の人が認識できる状態になっていることの全てに該当すると広告とみなされます。

診療所の新規オープン時に「チラシ」で「〇〇手術を受けましょう」というキャッチコピーに加え「〇〇医院、住所」などが示してあるとチラシとして当てはまります。

表示規制される内容

下記の6点は一般的な広告では載せても良い内容(法律には触れない範囲)ですが、医療法では禁止しているので注意しましょう。

①誇大広告

嘘を書くのはもちろんダメですが、たとえ嘘ではなくても、治療や手術の仕方などを誇張した表現を使用している広告が誇大広告です。

例えば、美容外科でほくろ取り1箇所1万円と表示された広告があったとします。

しかし、この値段は10箇所施術する条件での値段であり、実際に1箇所だけ取ろうすると1万円では出来ないことなどが、小さく但し書きに書かれていても、読み手に誤解を与えてしまう恐れがあるので、このような表示は禁止されています。

②虚偽の内容が書かれた広告

言葉通り、事実とは違うことを載せることで、施術後の写真を細工する、根拠なく「◯%のリピート」と載せるなどがあたります。

③比較優良広告

他の医院や病院と比べて本院の良さを表す「最も優れた」「口コミNo. 1」などの言葉は客観的根拠があったとしても、避けた方が良いでしょう。

④主観に基づいた体験談の禁止

来院した人の体験記などには個人の感じ方に差があるため、載せてはいけないことになっています。

⑤術後生存率

症状や個人により差があるので、客観的な根拠があったとしても載せないようにしましょう。

⑥品位を損ねる内容

「◯日まで◯円値引き」など費用の安さを強調したキャッチコピーなどは、健康や命に関わる問題を取り扱う医院の品格を下げかねません。

掲載してもいい内容

下記の項目が広告に書いてもいいことであり、これらに当てはまる内容であれば、文字以外に写真やイラストで表現できます。

  • 病院の医師名や「内科」などの診療料名
  • 「〇〇医院」など病院の名前、所在地やTELなど
  • 開いている曜日や時間など
  • MRIやCTなどの医療機器がある
  • 病院で働いている人の人数
  • 医師の経歴や専門性について
  • 個人情報の取り扱いについて
  • 他の医療機関、保険証の使用や福祉機関との連携が可能
  • HPアドレスやQRコードなど病院の詳細
  • 実施可能な手術や検査の仔細
  • 来院する平均的な患者数や手術数など

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等のポスティングチラシ表示規制

医療法と同じく、接骨院や整骨院、鍼灸院などは、「柔道整復師法」や「あん摩マッサージ師、はり師、きゆう師等に関する法律」によって広告表示に制限があります。

規制される事柄

広告の概念、規制が入る事柄は、医療系のポスティングチラシと類似しています。

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師に(以下あはき)関する法律では、さらに「具体的な施術名」「施術者の経歴や実績」等も載せてはいけません。

「具体的な施術名」とは「〇〇式施術」「〇〇流派」など作法や流派などを指します。

あはきにとっては、「〇〇式施術」などの名前を載せることで、他の医院と差別化できるものですが載せることはできません。

掲載可能な事項

接骨院等、あはきの医院等に共通する載せてもいい内容は以下の通りです。

  • 柔道整復師(あはき)であること
  • 施術者の名前
  • 「〇〇接骨院」などの名前、TELや所在地
  • 施術している日・時間
  • 健康保険証が使える施術
  • 予約に対応してる
  • 往診が可能
  • 駐車場の設置

加えて、接骨院等に関して載せられるものは次の通りです。

  • ほねつぎ

あはきの医院等に関して載せられるものは次の通りです。

  • もみりょうじ
  • やいと、えつ
  • 小児鍼(はり)

ほかにも、薬局のチラシにおいて、クーポンやサービス券は景品表示法の適用範囲になるので内容に注意が必要など、医療系だけでなく飲食店などの一般広告の法規制についてもまとめた記事も作っています。

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薬や医療機器に関するポスティングチラシの規制

薬や医療機器に関しては、嘘や誤認を誘発する内容を使用せず適切な目的の表示が定められています。

それぞれの法律で規制されていることを詳しく紹介します。

・医薬品医療機器等法によるポスティングチラシの規制
・薬事法によるポスティングチラシの規制

医薬品医療機器等法によるポスティングチラシの規制

この法律により「虚偽・誇大広告等の禁止」「特定疾病用医薬品の広告の制限」「承認前医薬品等の広告の禁止」が決められています。

薬の名前や作り方、効能や効果などについて嘘や誇張した表現をし、それを世間一般に知らせることが「虚偽・誇大広告の禁止」です。

また、「特定疾病用医薬品の広告の制限」とは、高度な専門性を必要とするがんや白血病などの薬について、一般の人への宣伝を禁止する制限のことです。

使用を許可される前の薬や機器、再生医療等の製品について、名前や作り方、効能などは「承認前医薬品等の広告の禁止」により禁止されています。

薬事法によるポスティングチラシの規制

薬事法では、「誇大広告の禁止」「特定疾病用医療品の広告の制限」「承認前医療品の広告の制限」がかけられています。

「誇大」は、医療法等と類似する内容です。

「特定疾病用医療品の広告の制限」とは、医療法と同様で、がんなどの特殊疾病に使用される目的の薬で人体への影響が大きいものであれば、医薬関係者以外への宣伝を制限されています。

「承認前医療品の広告の制限」は、薬事法で使用の許可を受けていない薬などについて、薬の名前、作り方、効果や効能について宣伝をしてはいけないことになっています。

薬事法の対象になっている製品は、医師が処方する薬、ドラックストアなどで販売されている市販薬、育毛剤、除毛クリーム、コンタクトレンズ、化粧水・クリーム、メイクアップ用品全般、各種サプリメント、美顔器、マスク、マッサージ器具等です。

医療に関するポスティングチラシ作成上の注意ポイントまとめ

・人の安全に関わる医療は、広告を出すにも厳しいルールがあります。

・「広告」の定義は名前や住所などが書かれていること、勧誘していること、一般の人が認識できる状態になっていることです。

・掲載可能な事柄を確認し、違法チラシにならないように注意する必要があります。