「売れない地下アイドルの一生懸命なファンサービスに心を打たれ応援したい」「バトル系アニメで劣勢に立たされた主人公を気付けば心の底から応援していた」というように、不利に立たされている人を応援したくなることがあります。

この時の心理的効果をアンダードッグ効果といい、企業のマーケティング施策に取り入れて商品の販売促進をするために活用されます。

なぜアンダードッグ効果が有効であるかというと、報われない、辛い、嫌な事といった人々が不快に思う感情は、本能的に自分自身と重ねてしまい放ってはいられなくなるからです。

この効果を活用することで、ピンチをチャンスに変えるポスティングチラシへの活用方法について解説します。

ポスティングチラシに利用可能な英語のアンダードッグ効果とは?

アンダードッグ効果は日本語にすると負け犬効果と言われ、人間の同情を誘い不利なチームや弱者を応援したくなる心理効果です。

ある実験で、一生懸命頑張っていても業績が悪い会社と何も努力していないが業績が良い会社、どちらの商品を選ぶかという検証が行われました。

結果として前者の商品を選ぶ人の割合が高かったことから、多くの人は勝者より努力をしても劣勢の立場にある方を応援したくなることがわかったのです。

日本人は特にその傾向が強いことを表す「判官びいき」という日本古来の言葉があります。

かつて平家打倒に多大な功績を挙げた判官の源義経が、兄である源頼朝に忌避され、最終的に無残な死を遂げたというエピソードに対する義経への人々の感情から生まれた言葉です。

アンダードッグ効果には、マーケティングに応用して成果をあげた実例があります。

例えば、ある企業が売れ筋商品の売上が低迷したことを公表して、買わない理由について意見を求めた結果、売上アップする現象が起きました。

他にも、アーティストが「CD売上枚数の目標を達成できなければ解散」という危機的状況をテレビで演出することで、ファンがCDを複数枚購入する現象や普段CDを買わない人が購入する現象が起き、結果的に売上目標を達成して解散せずに済むということもありました。

アンダードッグ効果の発生条件として、事前に有利か不利かの情報を知る必要があります。

ほかにも、商品を購入した直後の無防備で、注意力や警戒心が低くなった心理状態「テンションリダクション」をポスティングチラシに活用する方法をまとめた記事もあります。

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ポスティングチラシにアンダードッグ効果を利用する際のポイント

アンダードック効果を活用するためには、抑えておくポイントがあります。

ここではアンダードッグ効果を発生させるための条件を踏まえた上で、ポスティングチラシに利用する際のポイントについて解説します。

・普段の姿を知ってもらっていること
・応援してもらえるように努力を伝える
・弱さをさらけ出す

普段の姿を知ってもらっていること

なぜ危機的状況に陥っているのか、以前はどのような状態だったのか知ってもらっているからこそ、頑張っている姿がアピールしやすく、アンダードック効果が生まれやすくなります。

例えば、近所の八百屋さんのそばに大型スーパーができたとき、今まで利用していたお客様を大型スーパーに取られてしまう恐れがあります。

しかし、比較対象ができることで鮮度や価格といった店舗の強みをアピールしやすくなり、弱者の立場を活用した訴求内容でポスティングチラシを配布して効果的に宣伝することができます。

応援してもらえるように努力を伝える

これはアンダードッグ効果には必須といえる要素で、人々は努力し奮闘してもなお悲劇が起こり追い込まれる立場を応援したくなります。

レースに負け続けた競走馬が頑張って走り続ける姿を見て、その馬券が飛ぶように売れた例があるように、努力している姿を見せ続けることが重要です。

普段は宣伝をしていないのに、危機的状況に陥った時だけポスティングチラシを配布しても惹かれる方は少ないので、日々の営業活動をチラシでアピールするとより効果的です。

弱さをさらけ出す

弱い立場にあることを認めるような謙虚さを感じる自己開示は、相手との信頼関係を構築するために大切なポイントで、相手からの共感や同情心を生み出します。

内心をさらけ出すことで相手に理解され、相手もそれに応えたくなるという返報性の原理を合わせて活用できます。

例えば、過去の自分の失敗エピソードを話した時に相手が同じような話をしてくれることがあります。

これは自分から内心をさらけ出すことで返報性の原理が働いて、相手も自分に心を開いくれるから話してもらえるのです。

弱さを見せればアンダードッグ効果も働くため、相手は自分の失敗エピソードを好意的に受け取りやすくなります。

同様に、よく知るお客様にはポスティングチラシで本音や弱音を伝えることが有効になる場合があります。

さらに、他者から何かをもらった場合に「お返しをしなくては」と思う返報性の原理には、自己開示のほか、好意、敵意、譲歩などの種類があり、こちらに詳しく解説しています。

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アンダードッグ効果をポスティングチラシに利用する具体例

この効果をマーケティングに取り入れたい場合には、どのようにするとよいのでしょうか。

そこで、マーケティング施策にどう取り込めばいいのかについて、具体的な活用事例を業種別にいくつかご紹介します。

例1:小売店の仕入れミスで同情を誘い購買意欲を高める事例

「大量入荷セール開催します!
売れ筋商品だと自負していたので、通常量の10倍発注してしまいました。お客様へ積極的なお声かけをしたり目立つ場所に陳列するなど、いろいろと努力しましたが、どうしても余ってしまいます。そこで今回は店長に許可をもらいセールを開催することになりました。ご存知だと思いますが、当店は通常値引きはしておりません。しかし今回は特別です。どうか結果オーライにしてください。」

例2:エステ店の新メニューで危機的状況をアピールし、バイラルマーケティングも活用する事例

バイラルマーケティングとは、ウイルスのように広まるマーケティングの手法で、話題性のあるコンテンツをSNSなどのチャネルを使って拡散することで、急速な宣伝効果が期待できます。

「生かすも殺すもあなた次第セール!
エステ店を開業してから5年かけて、お客様に満足していただくため唯一無二のコースが完成しました。しかし、1年かけてコースが定着しなければこのコースは廃止します。ご紹介するコースには○○成分配合の××を使用しています。お肌のぷるぷるを感じてみてください。ぜひコース存続のために一度ご体験いただき、拡散してほしいです。コース体験後にSNSへ投稿していただければお値引きいたします。セールは1ヶ月限定です。」

例3:普段お客様には共有しないような情報をポスティングチラシで伝え、返報性の原理を活用する事例

「2年前、近所に大型家電量販店が出店したことで苦しい状況に置かれてしまい、何度も閉店を考えました。しかし客数は増えているのです。なぜかというと、緊急時の出張修理や24時間電話相談受付など新たなサービスを始めたからです。我々はこれからもサービスを追及し、この街になくてはならない電気屋であり続けます。」

地域密着型で地域住民の信頼が強いほど、お店の危機にはアンダードック効果が期待できるので、ピンチをチャンスにできるようなマーケティング施策を行いましょう。

英語のアンダードッグ効果で劣勢を逆転!ポスティングチラシへの活用方法を解説まとめ

・アンダードッグ効果は日本語で負け犬効果と言われ、人間の同情を誘い不利なチームや弱者を応援したくなる心理効果です。

・マーケティングに活用するためには普段の状況を知ってもらうこと、頑張っていても劣勢に立たされていること、その弱さをさらけ出すことなどの条件があります。

・活用方法の具体例として、ミスをしたときにあえて同情を誘うことで購買意欲を高めたり、バイラルマーケティングや返報性の原理を活用したプラス効果を加えることで、効果的にアンダードッグ効果を活用する方法があります。