一家に一つ、当たり前のように備え付けられている「郵便受け」

今や、私たちの生活に馴染んで日常の一部となっていますが、様々な過程を経て、現在の郵便受けの形になっています。

当たり前ですが、ポスティング業者は郵便受け(ポスト)へとチラシを投函するので、郵便受けがなければ、ポスティングは成り立ちません。

現在では一般的になってきた併配による全世帯配布やセグメントポスティングができるのも郵便受けのおかげです。

当記事では、ポスティングと深い関わりを持つ「郵便受け」の歴史について解説しています。

またポスティングに関する情報を網羅した記事がこちらにありますので、他にも知りたいことがあれば確認してみてください。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.gg-pr.jp/all_about_posting/ target=]

ポスティングの普及に貢献した郵便受けが広まった理由

郵便受けは、郵政法の改正により集合住宅への郵便受箱が義務化されたことで設置されるようになりました。

その後、核家族化の進行や高度経済成長期に共働き家庭が増えたことにより郵便受けは急速に普及しました。

両親は仕事に出て、子供たちも学校へ行き家に誰もおらず、郵便物を受け取る人がいない場合は当時主流の配布方法だった「手渡し」が難しくなります。

しかし、郵便受けがあれば、家に人がいなくても郵便物を確実に受け取ることができ、不在で渡せないこともないので配布期間も短くなります。

以上が、核家族家庭や共働き家庭を中心に郵便受けが普及していった理由です。

ポスティングの普及に貢献した郵便受けの歴史

郵便制度が開始したのは1871年ですが、その頃はまだ郵便受けはありませんでした。

郵便受けがなくても、当時は大家族の家庭が多かったため、手渡しでの郵便配達やチラシ配布に支障がなかったと考えられています。

核家族化や共働き家庭の増加により郵便受けが広まりましたが、具体的には郵便制度が始まってから90年後の1961年〜1962年ごろとされています。

これは郵政法の改正により、集合住宅の郵便受箱設置が義務化されたことに起因します。

また郵便法も1966年に改正し、現在では馴染み深い「定形」「定形外」の分類が初めて生まれました。

定形最安25g以内の郵便料金は15円と、現在の84円に比べると随分安い時代でした。

現在の郵便受けの元となったのは郵政省が指定したもので「規格型郵便受箱」といい、集合住宅向けでは、当時の公団住宅に設置された「KJ集合郵便受箱」がその始まりです。

その後、1975年ごろから通信販売業界の発展や宅配サービスが開始します。

それに伴い低単価で物を送ることができるようになり、郵便物の質や量が拡大し、郵便受箱はさらに世の中へと広まっていきました。

KJ集合郵便受箱が指定されてから約20年ほどは、KJ制度を規格とする郵便受箱が主流として使われてきましたが、通信販売業界の発展や宅配サービスの開始といった時代の流れと共に、1978年、KJ制度が廃止されました。

同時に、一般財団法人ベターリビング(以下、BL)による認定制度に移行され、1981年に新たな規格が施工されました。

新しく設定されたBL規格は自由度が高く、以降はBL規格をもとに設計された、デザイン性の高い郵便受箱が主流になっていきました。

1961年当時は、各世帯で錠前を購入するものと相場が決まっていましたが、カギ代0円で郵便物のセキュリティを守ってもらえる、ダイヤル式ロックが予め搭載された郵便受箱もどんどん普及していきました。

その後、郵便受箱は少しずつ変化をしていきます。

1990年代になると、これまでB5サイズが基準とされていた公文書のサイズがA4サイズに統一され、角2号封筒が郵便物の基本サイズになっていきました。

また、2000年代以降になると、インターネット通販も盛んになり、同時期に普及していたメール便を活用した、大きなサイズや硬く折れ曲がらない郵便物が増え、郵便受箱に配達される郵便物が多様化していきました。

チラシのように紙1枚だけの郵便物とは大きく異なる大型の郵便物に対し、郵便受箱も対応を余儀なくされます。

そこで、BL規格は「大型対応」の郵便受けを開発しましたが、この大型対応郵便受箱には、投入口の縦幅の上限がないという問題がありました。

これまでの規格では、投入口の縦幅は日本人の平均的な手の厚み(およそ2.8cm)を鑑みて、3cm前後に設定していましたが、それを超えてしまう厚さの郵便物も存在する理由から、大型対応では縦幅を4cm以上にも設定可能にするか議論が重ねられました。

なぜなら、4cm以上の投入口をつけてしまうと、投入口から中に手を差し込むことが可能になってしまい、盗難のリスクが高まるからです。

これでは、せっかく鍵つきの郵便受箱に進化した意味がありません。

また、4cm以上の投入口を実現した上で盗難防止を考えると、成人男性の一般的な手の長さ約19cmより箱底を深くする必要があります。

このように大きなサイズの郵便受箱を設置するのは非現実的です。

よって、BL規格では収容できる郵便物の厚みを3cm以内にとどめ、投入口の縦幅は3cm前後のままで設定されています。

そのほかBL規格とは別に、日本郵便が厚さ3.5cmの郵便物が収容できる大型郵便推奨規格を発表しています。

つまり、大型郵便対応の郵便受箱に関しては、2つの異なる規格が共存しているということになります。

現在、様々な郵便受箱のデザインが存在するのは、こういった歴史が背景になっています。

一方、ポスティングは江戸時代の「引き札」から始まり、大正時代にはチラシやビラが誕生したなど、ポスティングの歴史や、チラシの現状についても詳しい記事を作成しています。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.gg-pr.jp/posting_rekishi/ target=]

ポスティングの普及に貢献した郵便受けの歴史について解説まとめ

・郵便受けは、高度経済成長の中で共働き家庭の増加に伴い普及していきました。

・大型郵便物の出現や公文書のサイズ改定により、郵便受箱の新たな規格が生まれました。

・現在の郵便受箱は、大きく2つの規格を元にデザインされています。